金槌

 従兄弟が来て、工房の閉まらなくなった高窓を修理していってくれた。その後に雨が降り出して、間一髪で助かる。

 ふと見ると宣紙の束の脇に彼の金槌が忘れられていた。

 柄のカーブが美しいのでよくよく見ると、丸の樹を取り付けてあった。
 良く見つけてきたものだ。
 自分の道具を遊ぶ職人も少なくなってきた。電動工具では遊ぶ余地もないか?