水茎堂より「快」というラベルを貼った、寸法違いの筆が三本届き、意見を求められる。復刻だが、少し改良を考えたいという。

日常使いの筆というのは難しい所がある。何でも出来ないといけないからだ。
私はこのところ、水茎堂の「狸山」を用いていた。日本風のあえて言えば良寛の味を思わせる線が引けるからだ。ただ、ちょっと暴れるので扱いに難しさもある。

届いた「快」はしかし、この日常使いの筆に素晴らしい。楷書と仮名を共に書けるのである。つまり何でも出来る。

ただし間違えてもらっては困るのは、「日常使いの筆」の意味は安物ということではない。書きやすい万年筆といった感じだろうか。