2017-01-01から1年間の記事一覧

金槌

従兄弟が来て、工房の閉まらなくなった高窓を修理していってくれた。その後に雨が降り出して、間一髪で助かる。 ふと見ると宣紙の束の脇に彼の金槌が忘れられていた。 柄のカーブが美しいのでよくよく見ると、丸の樹を取り付けてあった。 良く見つけてきたも…

一調

一調 「女郎花」 梅若玄祥(謡)、亀井広忠(大鼓)を聞く。 いやはや、面白かった。 しかし、奥多摩から千駄ケ谷の能楽堂までの行き帰りはちょっとキツイ。 とはいえ、この距離と時間が世間とのフィルターなので致し方ない。 とんと都会へ出なくなっている…

砂澤ビッキ展

砂澤ビッキの作品は、昔、美術雑誌では見ていたが、実際には目にした事が無かったので、葉山の神奈川県立近代美術館まででかける。 1980年の「神の舌」、`83「樹頭」、`86「風に聞く」が良い。 雑部密教の一木造りの仏像に通じるものを感じる。

桑の実

画室近くの三差路に、大きな桑の樹が立っている。 昨日までその事を知らなかったが、通りかかると、道に沢山の桑の実が落ちて潰れていた。 上の枝では、鳥たちがキーキー鳴きながら飛び交って騒がしい。 服を汚す事が在ろうと、鳥が五月蝿かろうと、この一本…

川井の家

伊藤比呂美の「切腹考」を読む。腹切りのこと、熊本の地震の事、鴎外の文章の事、夫の死などについてが繰り返し、時間と場所を行き来しながら書かれている。 そこには物語も結論も無い。テキストだ。 読み手はいろいろの事を考えながら、それぞれにこれを読…

シクラメン3題

この2日ばかりの暖かさで、家の前の桜が一度に咲き出し、8分ほどまでに開いた。 今年の春は遅かった。 この一冬のあいだ、部屋の中で楽しませてもらったシクラメンの花も、そろそろ衰えてきた。 晩酌をしながら、デッサンをする。 見たままに畫くようにし…

虫の家

昨年の秋、知り合いの娘が、大事に箱を抱えて、お土産を持って来てくれた。 珍しい虫が居たので、大切に連れて来てくれたというのだ。空気穴を開けて、ドアまで付いている。 覗くと、葉っぱの陰にカメムシが上目遣いで座っていた。 気持ちは嬉しいので、箱だ…

水墨画を楽しむ

水墨画は簡単な道具で、奥深い表現もできる絵画だ。 俳句のように、誰でもが楽しめると良いと思う。 一番簡単にできるのは何だろうと思い、手身近かの筆ペンとティッシュペーパーで、机の上の腕時計を描いて見た。 これでは墨絵なので、水を加えてみると、急…

チューリップ

読んでおきたいと、思い続けている本がある。 しかしそろそろ、この調子では一生読めないと慌てだしている。 昨年はやっと2冊ばかり読んだが、10年以上ほとんど進まずに、畳の上で変色している本がある。 このままでは無理だと判断して、現代語訳を電子版で…

ストーブの上の薬缶

やっと、描こうと思っていた水墨山水に取り掛かる。 完成された絵の持つであろう、空気感やエネルギーの質は分かっているので、直ぐにできるかと思っていたが、1日やって、全く思うようにならない。そればかりか、ドンドンと離れていく。 肩に力が入ってい…

刈り込まれた冬の木

2月10日づけの東京新聞に、鷲田清一氏の寄稿があり、首肯くところがあったので、自分なりに要約してみた。 氏は、エリオットを引用しつつ、社会の過度の統合も過度の分断もいずれは「圧制」を招き寄せる。と述べ、 民主主義は一方で、社会の過剰な統合に対し…

アネモネ

昨年、劇場公開されていた「エイミー」のDVDを、娘が持って来てくれたので、見ていた。 才能ある人なのだが、開花の仕方、破滅の仕方に心が痛む。人間というもののあり方に、関わることなのだが、悍ましくもある。 比較で、浅川マキのことを思い出したが、エ…

マッチ棒

面白がって描いたが、こんな物を美しいと思うようでは焼きが回ったかもしれない。 5日間、一本ずつ燃やし方を変えてみたりして、何をやっているのか?

1月号

雑誌を購読しなくなってから、どのくらいが経つだろうか。 ネットには無くて、ワクワクするような発見のない限り、わざわざ雑誌を買うことはない。 そのような物を、還暦を過ぎの爺いに提供するのは、並大抵ではあるまい。 とはいえ、ずっと定期購読している…