礬水刷毛

手元の礬水刷毛に目が行く。ずいぶん古いものだ。40年くらいか?
和紙の滲み止めを塗るのに使うだけだから、消耗が激しくはない。
柄の先が折れて、絵に使うには不便なので、礬水用に回した覚えがある。
 
手に取ってみると、あの頃は悪い筆だと判断していたのだが、今見ると毛質は悪くない。
それだけ、現在の基準が落ちているのだ。
寂しさを感じると同時に、猛烈に良い筆を確保したくなる。