祟り山


いつも庭先から見ている山に(実際は尾根筋なのだが)名前があるのか近所の人に尋ねてみた。
その人は暫く回りの地形を考えていたが、
「あれは、祟り山だなぁ〜」
と答えて、戦争中の話がそれに続いた。

土地の人と、いろいろの話をしていると、祟り山や谷・神というものが身の回りのあちこちに転がっている。
その時その時に、事故や事件があり、それが祟りとして土地に記憶されているのだ。
一緒に作業へ出る時などは、人によっては、供物を供えてそこを通過する人も居る。そうせざるを得ない、何事かがあるのだ。それの中身は語られることがなく、憚れて、祟り神だけが存在していることもある。
それを迷信とかたづけないで、ブラックボックスとして保存する知恵が必要なのだろう。

山を見る目が変わる。