梅干しを乾す時に

 梅干しを乾す時に、いつも思いだすのは、五日市徳雲院の加藤耕山老師と、四條畷学園小学校の原口好博先生だ。ともに草葉の陰におられる。
 
 老子の元では末席にも加われなかったので、その梅干しも味わっていない。遠く眺めていただけだが、いまだにその香りを嗅いでいる。
 先生の梅干しは食い逃げをした。
 
 そろそろ、借財を払う歳になったと梅を乾しながら思う。