竹内栖鳳覚え書き



10月14日まで栖鳳展が開かれている。結構揃っているので、行って見る価値がある。
栖鳳は日本画を考える時に欠かせない幾つもの面を持っていて、重要な人物だ。
今回もいろいろと思うところがあったので、覚えを書いてみようとおもう。


まずは栖鳳紙のこと。
絹本には素材独特の美しさが有り、画家にとって描きやすい素材である。ただし、高価なことと、表現の幅が狭いことが短所になっている。
今では品質が落ちて使う人は少ない。今回、栖鳳の絹本を見ていて、見たこともない品質なのに驚いた。
栖鳳は絹本の扱い易さと、紙本の表現力を併せ持った紙を求めて、栖鳳紙を開発した。
今回並んだ水墨作品には、その成果の出ているものが、幾つも並んでいる。

私には、栖鳳紙は扱い易さに重点が有って、物足りないのだが、大作の場合には助かるかもしれないと、今回は思い直した。

画家と職人たちの協同があって、こうした絵画は成り立っているのだ。