2013-01-01から1年間の記事一覧
久しぶりに薮を覗いていた嫁ハンが、花の咲いた茗荷を笊に入れて帰ってきた。 天候の定まらないこの頃だが、そろそろ夏茗荷が採れだしてきた。 薄切りにして鰹節を乗せて醤油をかける。単純な食い方が、一番うまい。 気が付くと、地の物を食べる時には、いつ…
放出ばかりで、学んだり考えたりする時間が少なくなるのは、年齢が上がると仕方のない事ではあるかも知れない。 それなりに、やりくりはできるようになっては来るのだが、切実な問題として意識されている。 最低限の稽古ができなくなったら、終わりなのだか…
このところ雨が多い。それに時ならぬ雷雨、豪雨も多い。 湿度が60〜80%で、これは水墨・日本画を描くには良くない状態だ。 おかげで仕事が進まない。良い結果が生まれないので、やる気も失せる。 天気予報をみると、当分これが続くという。 いやはや。 天の…
誕生日の祝いに何か贈ってくれるというので、豆絞りの手拭いをリクエストした。 以前から、なんで、昔から続くこのデザインが面白くないのか疑問に思っていた。 何が良くて、いままで引き続いて支持されてきたのか、さっぱり解らないのだ。 ところが、たまた…
先月の西宮の個展の際に、大阪で入院していた古い友人を見舞った。 小学校から大学まで、永い学校生活の中でも、一番の最悪は中学校だった。 あの頃は、ひたすらに3年間のお勤めを果たすことだけを願っていた。その時代に知り合った唯一の友人だ。 何もして…
昨日アミューズミュージアムで手拭いの展示を観た。 中に、瓢箪を扱ったものがあり、その配置の間が絶妙なので、同じ物を買い求めてきた。 ところが、この有り様である。 単純に瓢箪を並べただけの物に、成り下がってしまっている。 情けない。
まだ梅雨の内なのだろうが、気分は夏になっている。 カエルとトラツグミの声が夜の闇の中から聞こえてくる。 評判になっている「なめらかな社会とその敵」を読んでいる。 若い人がこのような本を書いた事に希望を感じる。 図書館のリクエストは20人待ちだ…
西宮市アトリエ凹凸でのワークショップと個展が終わって帰宅。さすがに疲れた。 凹凸の神野さん・東さんと、いろいろの話ができて刺激になりました。 いつも、山の中で孤立した状態で仕事をしているので、少々反省。 とりえあず、個展の片付けと放置したまま…
今、雹交じりの雷雨があって、もう上った。 毎日更新を目指していたのだが、一ヶ月以上ご無沙汰でした。なにしろ、いろいろ有ってと言い訳しておこう。 先日終わった三鷹Caparisonでの個展に、大原樹雄氏が訪れてくれた。 この時の写真が恰好良いので、氏に…
二年間飼育したタガメが死んだ。 寿命だったのか、水を換えたのが悪かったのか。 虫という生命体の頑強さと、繊細さをあらためて知った。 ありがとう。 わしらも同じ生命体なのだ。
台湾出身の還暦を過ぎた書家と、若いカメラマンが重なって来訪。 夢と現実と、決して定まらない工程にあることは同じなのだと思う。
空が白み始めたころ、床の中で、トラツグミの声を聞く。 まだ夏鳥には早いだろうと、耳を疑って、なんどか繰り返されるのを確かめた。 山桜が咲き出した。
二日続けて、食卓の上での写生になる。物憂い気分で、電話横の紙の切れ端と、先の乱れた筆ペンを執る。
能の大鼓方 亀井忠雄氏へのインタビューが新聞に載っていた。 うなづきながら読んでいたが、こうした芸能者、職人に対する敬意はどこから来るのだろうか。 優れた技を持っているからとするのは、単純な見せかけの答えだろう。 それは、すぐれて人間的なこと…
寒の戻りで、この二・三日寒い日が続く。 小河内の桜はまだ咲く気配が無い。 今日も庭先に出て、蕗の薹を二つばかり採ってくる。 心なしか小さい。 摘む事で、春を呼び寄せているような気になってくる。 今回は少し丁寧に写生をした。 動きをコントロールす…
春になって、やっと店頭に並んだ浅蜊を買う気にもなってきた。 椀種に、出汁も良く出て、味噌との相性も良いこの貝は申し分が無い。 先日から、味噌の仕込みについて、あちこちで情報を集めている。 大豆を潰すのが大仕事なのだ。 方法として、ひき肉器や餅…
花粉の舞う毎日で、外に出て何かする気が起きない。 庭先に出て、蕗の薹を摘んで、直ぐに部屋の中に退避する。 そろそろ終わりになるシクラメンを写生する。
茶葉用の碾き臼を手に入れる。携帯するポットに入れるお茶を、碾き茶にしようという心積もりだ。 以前、製品になった碾き茶をつかってみた事があるが、美味しい物ではなかった。 思いの外にマシなのは、葉を無農薬にした心理的なことと、碾きたての為に香り…
早春の山には黄色の木花が多い。キブシ、サンシュユ、アブラチャン。 庭木の梅やトサミズキも咲き出した。 物憂い気分は、続く弔いのためではなく、花粉症のためと思うのだが。
急に暖かい日がやって来たので、蕗の薹が顔をだしていた。まだ、小さくて貧弱ではあるが、初物である。 春の訪れを祝おう。
近代美術館のベーコン展へ行く。 なかで、土方巽の舞踏符が展示してあり、ビデオが流されていたのに驚いた。彼がベーコンの絵画に触発されたというのだ。 ビデオを見ていて、彼の舞踏の技術の一端が分かって嬉しかった。緩慢に見えるその動きの中で、緊張が…
一ヶ月以上の空白をあけて、クロッキー会へ顔を出す。 半分くらいまで全く手と目が連動しなかった。やれやれ。 後半、何とか調子を取り戻すが、筆を握る大事さを痛感する。 形を取るとか、描写するとかではなくて、反応する事が大事なのだ。 感覚に体で反応…
随分と筆スケッチをご無沙汰していて、久しぶりに筆を握った時に腕の動かないのに驚いた。 年齢の衰えなのか、不鍛練の為なのか、見極めが大事だなぁと思う。 嫁ハンの術後診療についてきた合間の手持ちぶさたに、筆を握る。
今日は津田画廊の主、津田実さんの告別式だった。 10年以上もの間、なんだかんだと教えてもらったなぁと振り返る。 作家として、なんとか喜んでもらえるようにしたかったのだけど、思うようにならなかったとも思う。 またもや、浮世で借財を返せないで終わっ…
高騰を続け、品質の劣化の激しい中国の書画宣紙の現状であるが、良い製品も作られてはいるらしい。 ただ、一般人の所へは下りてこないという話を聞く。現実に見かけない。 今後も好転の見込みはないので、とにかく集められるだけは、手元において置こうと思…
Bunkamura ザ・ミュージアムで白隠を観た。 彼は江戸絵画の鍵となる人物である。 今回一番驚いたのは、大雅の絵に白隠が讃をした物が二枚も出てきたことだ。 これで、南画の生成に白隠が欠かせないことが、美術史の人にも理解されるだろう。 しかし、もっと…
集落の社に参った後、昨年末に舞い込んだ文房具で描き初めをする。 内山紙というのは初めてお目にかかるが、100%楮の障子紙である。 墨を置いてみると、滲み具合も適度。墨色も拾うなかなかの物であった。 しかし、千田さんによると産地の状況は厳しいよう…